ノルウェー・ ホーグ社 バランスチェア
イスの座り方の概念を大きく変えたバランス理論誕生の糸口。
子どもの頃、イスの前脚を軸にして前方に倒すいたずらをした覚えのある方が多くいるはずです。この前傾姿勢で大腿部が下に約30°傾き、股関節は約60°曲がると、結果的に大腿部と上体の角度が約120°となり、腰椎カーブはS字型が保たれ、乗馬時のようにバランスのとれた姿勢で、気持ちよく座ることができます。バランス理論の出発点もこの追体験にあり、背骨が疲れる場合のイスと姿勢との因果関係も、主に腰椎カーブの変動にあると言われています。一般には、人が垂直姿勢でイスに腰掛けるとき、股関節は90°に曲がるものと考えがちです。しかし実際形状は複雑で、大腿部は股関節のところで60°傾き、あと30゜は腰椎部が無理に曲がり、自然なS字カーブが保てなくなり、疲労を覚えるようになります。普通のイスに座ると背中の疲れてくる原因が解明されると共に、人間の身体の構造機能に適したイスを作ることが可能になりました。